著者は,長年にわたり,我が国のカウンセリング・心理療法の普及と指導を推進し臨床現場での相互交流・研究活動をリードしてきた。現在も統合的心理療法研究所(IPI)の顧問として,汎用的な心理療法の理論・技法の統合を追求している。その理論的基盤には,自己の潜在能力の発現を志向した「関係療法」中心の臨床的態度と「自分も相手も大切にする自己表現,その実践の方法論である」アサーションの考え方が流れている。
本書には,豊富な臨床経験に裏打ちされたあらゆる心理支援に応用可能な面接技術の要諦が公開されている。その技法の中心とするアサーションとは,自分の想いを伝え,相手の想いを聴くコミュニケーション技術である。クライエントに寄り添う著者のスタイルはきわめて合理的・実践的であり,よく〈聴く〉ことで相手との関係を大切に考え,クライエントとのコミュニケーション技術を示唆し,現代の日常臨床においてアサーションを学ぶ意味を説く。
読者は,本書により,心理面接における見立てと実践の技術を確実に向上させることができるであろう。
□第1部 カウンセリングの原則を学ぶ
一 精神療法を教え伝えるーセラピストの特性と方法論の統合を目ざして
二 面接技法向上のために
三 面接技法向上のための研さんの在り方ーロールプレイの基本とファシリテイターの心得
四 アサーションによるストレスマネジメントー見えない心の疲れを互いにためこまないために
五 子どものよさに気づくーほめるための基本
六 「聞く力」とは
七 自己再生と関係回復を目指すーケースフォーミュレーションと治療計画を考える
八 家族療法を中軸とした統合的セラピーの試み
九 人と人をつなぐ心理学
□第2部 臨床現場で活かすカウンセリング・スキルのコツ
十 まっすぐに自分を伝える秘訣,教えます
十一 継続的接触を考える
十二 なぜ感情表現が大切なのか
十三 「自分を大切にする」とは
十四 家族の多様性をめぐってー家族の多様性が意味すること
十五 ワークとライフをつなぐ働き方を考えるーライフキャリアという考え方ーーワークとライフをつなぐために
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