川を泳ぐイリオモテヤマネコ、カンムリワシノの捕食、リュウキュウイノシシの子育て……。
ロボットカメラでなくては撮れなかった、ありのままの生命。
東洋のガラパゴスとよばれる西表島。その野性味あふれる島の本当の姿を知る人は少ない。
本書では、イリオモテヤマネコ、カンムリワシに代表される動植物を、今までにない写真と解説文で紹介する。
著者は、自らの手で開発したロボットカメラを駆使して、ロシアやタイをはじめ、国内外の動物たちの姿を生き生きととらえてきた。
今回は、過去4年間にわたって、西表島の動植物を撮影し、今まであまり知られることのなかったイリオモテヤマネコの生態に肉薄した。
雑誌「ニュートン」などでたびたび紹介されるロボットカメラで撮影された写真には、
人の気配を消すことによって映し出される動物たちのありのままの姿がとらえられている。
水に入って魚を捕ったり、川を泳いで渡るイリオモテヤマネコの姿や、
お気に入りの岩で捕食したヤドカリを割って食べるアカショウビンの姿など、
これまでに公開されたことのない貴重な瞬間もとらえられている。
なかでも「時間軸写真合成画像」の章では、定点カメラの画像の時間軸を消し去ることで、
同じフィールドを共有してくらす島の動物たちの姿が1枚の画像に収められている。
この画像から、限られた森の中で島の動物たちがいかにうまく共存しているのか、
複雑な西表島の生態系が1枚の実画像で紹介されるという、ユニークな手法も必見である。
豊かな生物群を育む奇跡の島、西表島の生きものたちの姿を、最先端のロボットカメラで追った、まさにドキュメンタリー写真集だ。
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