哲学は膨大な先人たちが多様な思索を試みた知恵の蓄積である。この知を共有して自らを見つめ直し、「哲学を生きる」ことへと思考の射程を伸ばしながら、新たな自分と向き合う、これが「哲学を享受する」ことである。第1部では哲学史の中から、ヨーロッパ思想の脊髄であり続けるトマス・アクィナス、現代哲学の古典と称されるハイデガー、新たな現象学を示したミシェル・アンリを論じる。第2部では資料整理の仕方から学会発表まで、哲学的フィールドワークの手法が編み出されるプロセスを体験する。第3部は百科全書が描き出す博覧の知の意図、哲学することの意味を問う「離脱」の遂行、精神の永遠性を論じるテクスト註解という、哲学を享受した思索がさらに伸展していく現場を経験する最新論考三編。巻末の用語集は、2・3巻と合わせて150項目を数え、哲学の基礎から応用へと思考を深めるのに役立つ。「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神を踏まえて、東洋大学哲学科のスタッフを中心とした気鋭の執筆陣による個性的なテキストシリーズ全4巻、ここに完結。
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