憑依、予言、幻覚、ユタ…文化と精神病を分けるものとは何か?
金沢、奥能登、与那国、八重山などで精神科治療にたずさわってきた著者が、トランスカルチュラル精神医学の方法を使って自身の診療記録をまとめ、社会文化が病理に及ぼす影響を考察した論集。かつて与那国地方では、精神病者はユタの素質を持つ者として地域全体で温かく見守られた。他方、貧困や周囲の無理解から発病した患者が治療機会を奪われて重症化する例もあった。地域文化の基層に潜む病理性、精神科的治療の意義を考察し、現代日本人の精神病理と文化の関係を鋭く問いかけるライフワーク、待望の書籍化。
1 憑依の精神病理
1章 憑依症候群の臨床と社会文化的状況
2章 奥能登の憑依
3章 憑依の人格変換
2 与那国の文化と精神病理
4章 与那国の憑依
5章 与那国の精神病観
3 八重山の文化と精神病理
6章 八重山に第一歩
7章 八重山精神科医療の揺籃
8章 精神科医療導入の両義性
9章 八重山の懊悩
終章 「いま・ここ」に佇んで
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