内戦と革命の時代を迎えた17世紀イングランド。王権、議会、教会、そして知識人から民衆まで、相互に織りなす目まぐるしい政治変動は、当事者たちの意図を超えて〈宗教〉概念そのものの文化的前提を根本から揺るがし、人々の生活と心性を変容させていく。イギリス史の大分岐を、政治史と文化史を架橋しながら描く宗教改革史の新境地。
凡 例
序 章
1 宗教,宙に浮く
2 「ピューリタン革命」論をこえて
3 宗教とは何であったか
4 本書の構成とアプローチ
第1章 イングランド議会と反教権主義
1 王と馬丁
2 「アルミニウス派」の登場
3 モンタギュー論争
4 誰が異端を裁くべきか
5 ふたつの至上権モデル
6 一六二九年から一六四〇年へ
第2章 革命期イングランドのオルガン破壊
1 音楽史の「空白」か
2 イングランド宗教改革と音楽
3 「聖なる装い」とオルガン復興
4 ダラム大聖堂と「音楽の過剰」
5 長期議会と音楽の改革
6 変化と連続
第3章 失われた宗教統一 --イングランド議会とスコットランド教会
1 福音による一致
2 厳粛な同盟と契約
3 「ふたつの王国」とエラストス主義
4 教会規律権の所在ーー議会か,神権か
5 異端の根絶ーー宗教統一の最後のカード?
6 エラストス主義による異端取り締まり
7 宗教統一構想の崩壊
第4章 異端の政治学ーー『ガングリーナ』と魂の医師たち
1 偏屈者たちの時代
2 反「異端」出版の世界
3 トマス・エドワーズの登場
4 寛容を阻止する
5 病としての異端
6 感染と治療の言語
7 長老派の退場
第5章 異端をカタログするーー『異端目録』と宗教複数主義
1 「何のセクトだ? その主張は? 目録をよこせ」
2 『異端目録』
3 『クリスチャン目録』
4 パジットとロード体制
5 異端学の百科事典主義
6 一〇〇の誤謬か,ひとりの改心か
第6章 宗教を再定義するーー『世界宗教大全』の時代
1 他宗教へのまなざし
2 ロスと『マホメットのアルコラン』
3 異端学としての『世界宗教大全』
4 異教を知る必要
5 「狂信」と「無神論」のあいだ
6 ホッブズと異端論争の終わり
7 変容する宗教
あとがき
図表一覧
略年表
用語集
索 引
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