心理学者ユングやポストモダンの思想家らのグノーシス主義理解は己れの空想や独善を仮託した蜃気楼にすぎない。虚妄の解釈を排し、テキストを細心に読み解くとき、〈父なる神〉の真の姿を求めて進化したグノーシス主義の発展と崩壊の軌跡が明らかになる。
序章
第1章 グノーシス主義前史
1 古代都市の信仰ーー「父」というフィクション
2 プラトン主義的形而上学
3 ストア主義的自然学
4 混淆主義的変身譚
第2章 二つのグノーシス神話
1 『ポイマンドレース』
2 『ヨハネのアポクリュフォン』
第3章 鏡の認識
1 グノーシス主義と精神分析
2 プレーローマの成立と破綻
3 奪われた自己像
4 仮現論ーー真実の神の変容
5 新婦の部屋
第4章 息を吹き込まれた言葉ーーグノーシス主義とキリスト教
1 グノーシス主義とキリスト教
2 神の三つのペルソナーーキリスト教教義の要約
3 言葉の分裂
4 真の神の名
文献一覧
あとがき
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