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季節が春から夏へと移ろい始める卯月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは!?-(第三話『小夜しぐれ』)。表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾。
レビュー(387件)
大変満足です
このシリーズは3冊ほど書店で購入しましたが、読んで面白いため残りの8冊を注文しました。まだ読み始めてはいませんので読後感は無いのですが、3冊は読んでいるので時代背景や生き方が共感できる良い小説です。
とにかく感動です。忘れていた大切なものを思い出させてくれました。
小松原の目線からの物語が入っていて、やっと小松原が少し分かったような気がしました。家族構成や職業、澪をたびたび思い浮かべている心に触れて、先の巻がより楽しみになりました。それにしても、21才という年齢が大年増といわれる年齢とは…!驚きです。
高田さんの大ファンです。 何とも言えない世界に自分が入り込めます。 あっという間によんでしまいます。
小夜しぐれ みをつくし料理帖5
本書は、4編が色々な意味で立っていた。「迷い蟹」では種市の過去が、「夢宵桜」では澪が吉原とどう関わるのか、「小夜しぐれ」では美緒の決意、「嘉祥」は小松原こと小野寺の番外編。どれもこれも良かった。中でも「夢宵桜」は濃厚だった。菜の花(油菜)が江戸ではそんなに高価だったのか! という驚き。そして菜の花という澪の言葉に、又次が何の菜か問いただした件に「なるほど」と膝打つ思いだった。時折物語の中で著者が使う「ふきが、ぴょんと跳ねた」という表現が何とも好き! 今更だけど……(笑)