漱石の作品は、
なぜ快活・奔放なものから、
個人の内面に向かう陰鬱なものへと変容するのか──
明治後期〜大正期、「近代都市」へと激しい変貌を遂げた「東京」。
「近代」を描写する「形式」を追求する漱石を、「世界文学」の流れの中に捉え、「漱石論」の再解釈へいざなう。
「都市」を描く「形式」を獲得できずに、自己の内側に向かっていった近代日本文学。
「東京」に背を向けて内向化した日本文学と、「形式」を模索する漱石の小説、そして西欧の小説形式を「比較文学」の視点で考察する。
映画、写真等の関係も探る。
第一章 近代日本文学の内向化
第二章 文学進化の理論と本書の仮説
第三章 漱石に見る「近代化」と「形式」
第四章 漱石の形式上の実験
(1)最初期の短編
(2)「坊つちやん」
(3)『吾輩は猫である』と『彼岸過迄』
(4)『草枕』、「二百十日」、『野分』
(5)『虞美人草』
(6)『坑夫』
(7)『三四郎』と内向化
終章
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