『お気に召すまま』(1599)は、喜劇時代の系譜の中では後期に属すものである。シェイクスピアはこの作品を作るにあたり、田園礼賛のロマン溢れる牧歌劇をベースにしているが、森や田園の肯定的な面を踏襲しつつも、それまでには描かれなかった否定的な面をも新たなキャラクターを登場させて語らせている。現実世界では起こり得ないと思われる(変装によって)親子や恋人同士が認識できないことなど、おとぎの国の世界でしかあり得ないことが舞台上で繰り広げられるが、舞台そのものが虚構の世界なので、架空の世界が現れても納得できる。この喜劇は観客や読者がどの視点に立っても堪能できるように工夫されている。森はあたかも神様のように人の運命を左右する。「森の精」がフレデリックの汚れた心を清め、武器を捨て、世俗の地位を去る決意をさせるのである。さらに、婚姻の神が現れて、4組のカップルが誕生し、ハッピーエンドでこの劇は終わる。
登場人物、第1幕(第1場 オリヴァーの館の庭園/第2場 フレデリック公爵の宮殿の芝生の地/第3場 フレデリック公爵の宮殿の一室)、第2幕(第1場 アーデンの森/第2場 フレデリック公爵の宮殿の一室/第3場 オリヴァーの館の前/第4場 アーデンの森/第5場 アーデンの森/第6場 アーデンの森/第7場 アーデンの森)、第3幕(第1場 フレデリック公爵の宮殿の一室/第2場 アーデンの森/第3場 アーデンの森/第4場 アーデンの森/第5場 アーデンの森)、第4幕(第1場 アーデンの森/第2場 アーデンの森/第3場 アーデンの森)、第5幕(第1場 アーデンの森/第2場 アーデンの森/第3場 アーデンの森/第4場 アーデンの森)、あとがき
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