住む人が減ったら、地域は再生できないのか?
『関係人口をつくる』の著者が、関係人口を社会学の見地から定義し、その役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」!
各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口減少時代の地域再生の方向性を示す。
「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付しており、地域行政や地域づくりに関わる人必携の書となっている。
レビュー(7件)
地方での暮らしの場で私たち住民が感じる心地良さや歯がゆさが言葉として記されており、何度も深く頷きながら拝読させていただきました。特に海士町のお話にある「まずは自分が変わる」「信頼関係をつくる」の2点は、地域で活動しているとつい忘れがちになってしまいますが本当に大切なことで、本書を読み久しぶりに心に刻み直すことができました。特にメインフィールドとなっている島根で暮らす人たちに手に取って読んでほしいです。
著者の個人的な興味を含めて“問題意識”が起こる理由というような事、または着目してみたい事が提示され、事案が整理されて行って、それに基づいて観察や分析を試みた幾つかの事例、事例の観察を通じて類型を設定する等の「課題や着目点の一般化」を試みるというような、「解り易い流れ」が確りと存在している。だから「読み易い」というような仕上がりだと思った。「なるほど…そういうことか…」とドンドンと頁を繰ることが出来る。または頁を繰る手が停め悪くなる訳である。 結局のところ、「<定住人口>が簡単に増えるのでもない。寧ろ減る方向…」という状況下、本書で<関係人口>を論じる事例とした各地域に在っても、<定住人口>は別段に増えた訳でも何でもない。「<定住人口>が簡単に増えるのでもない。寧ろ減る方向…」という状況下、数で明示される「人口」という「量」でもなく、抽象的な表現かもしれないが「地域の人達がより心豊かに、地域の主役を自認して暮らす地域へ」という「質」が「追い求められるべき何か…」というのが本書の論旨でもあると思う。 「学位論文を基礎にして書籍として整理」という“生い立ち”の本書だが、「素人」は知らない、解らないというような何事かを細々と論じているのでもない。「素人」という以上でも以下でもない「とある街で各々の人生を生きている人達」の、「或る街での暮らしの在り方が如何なる?如何する?」という論が本書なのだ。広く御薦めしたい。否、御薦め「しなければならない」とも思った。