人間言葉を用いれば飛躍は避けられなかろう。言葉それぞれはどんな飛躍を有しているのか。此処は其処の彼処か、当句型に照らして居ると、現れるのに極まるようである。
禁止は交換の命令、此の金句を元にした。クロード・レヴィ=ストロースの言葉を用いた、丸山圭三郎の言い回しである。立入禁止に例えれば、立入る行動から他の行動に交換することを命令している、ということになるだろう。禁止に命令はわかっても、交換が効いてくるこの凄さ。最少の組み合わせにまで約められてこそ、相補性は最大になりえ予期せぬものも嵌まり込む。
「禁止」の再考を含め、本書では十二の語と対し、同句型で追っている。
距離は随意の重修か・〜は重修の随意か
絶対は⚪⚪の⚫⚫か・相対は⚫⚫の⚪⚪か
形而上は⚪⚪の⚫⚫か・形而下は⚫⚫の⚪⚪か
重修は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
期待は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
貧乏は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
禁忌は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
禁止は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
交換は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
命令は⚪⚪の⚫⚫か・〜は⚫⚫の⚪⚪か
何かの概念に逡巡して居る方、哲学や意味論に煮え切らない方のほか、受け売りに倦まれた御人に向ける。自分の身体を通して書く形而上の世界。あなたにも熟せるかってさあね。『此處は其處の彼處か』深井亮任著。義業堂(ぎごうどう)より令和二年十二月十一日発行。B5紙POD版は三省堂書店やジュンク堂書店、丸善、h o n t o . jp、楽天ブックスでも注文可。
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