「フランスが大好き」という著者が71歳の誕生日を前に、夫「人生最後の一人旅」と出掛けたパリでの一ヶ月を綴ったエッセイ。文学や絵画、映画などについての豊富な知見と生まれついての好奇心が、おなじみの名所にさえ新たな彩りを加えてくれる。そして各所で出会う、人、人、人。著者ならではの暖かな目線が生み出す通りすがりの人々との小さなドラマの数々はうつみエッセイの見せ所だ。また、前著「私のそれいゆ日記」にも登場するマダム・チェルビ宅への訪問記は、このエッセイのハイライトと言えるかもしれない。「パリってどんなところ?」と聞かれたら「魔女のスカート!」と答えるという著者の見たパリを、ぜひこのエッセイで垣間見て欲しい。現在88歳のうつみよしこさん、きっとまだまだ新しい旅に出掛けて、私たちに新たな旅の楽しみ方を教えてくれるに違いない。
いざ出陣;ボンジュール・パリ;パリの窓の下;Dondon;パリ、コラッ;怪物がくれたお土産;雨の散歩;二つの愛;夕べの鐘よ;隠れ家;愛しのサン・マルタン運河;パリのおばあちゃん;コタン小路;巨人の眼;楽園の子供たち;魔女のスカート;あとがき
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