本書は,数値材料試験およびこれに基づくマルチスケール解析に関する理論と数値計算法の解説書である.非均質材料におけるミクロ構造の力学挙動からマクロな材料応答を評価するための理論,すなわち均質化法の定式化をできる限り平易な表現で記述し,その中核となる数値材料試験の具体的な実施方法を説明する.
本書の前半では,線形弾性体に対する数値材料試験の実施を目標としている.ここでは,その準備として,線形弾性体の支配方程式のテンソル表記とVoigt表記についてや,有限要素法の適用法も紹介する.本書の後半では,非線形・非弾性体から構成される非均質体に対するマルチスケール解析およぶ数値材料試験のための考え方と具体的な手続きについて紹介する.
ダウンロードコンテンツとして,付録資料と本書で登場する解析のMATLABプログラムがついており,本書の理解を深める一助となる.
第 1 章 序
1.1 はじめに
1.2 非均質材料の等価物性と数値材料試験の考え方
1.3 計算均質化法とマルチスケール解析
1.4 本書の内容・目的と構成
第 2 章 線形弾性体の静的つり合い問題
2.1 物理量の表記・表現・表示方法
2.2 応力
2.3 平衡方程式と境界条件
2.4 種々の応力成分
2.5 ひずみ
2.6 弾性体の構成方程式
第 3 章 Voigt 表記の支配方程式
3.1 Voigt 表記
3.2 種々の弾性構成則
3.3 つり合い方程式と自然境界条件
3.4 非機械変形
3.5 平面問題の支配方程式の弱形式化
第 4 章 線形有限要素法
4.1 有限要素法の離散化
4.2 平面問題における具体的な要素例
4.3 全体剛性方程式の組み立てと求解
第 5 章 線形マルチスケール解析
5.1 概要
5.2 マルチスケール境界値問題
5.3 ミクロ変数とマクロ変数の関係
5.4 数値材料試験
5.5 おわりに
第 6 章 有限要素法による数値材料試験
6.1 数値材料試験のための多点拘束条件
6.2 全体剛性方程式の組み立てと縮約
6.3 2 次元問題の数値材料試験:均質化・局所化解析例
6.4 3 次元問題の数値材料試験
6.5 いくつかの留意点
第 7 章 非弾性体の構成則
7.1 概要
7.2 弾塑性体
7.3 粘塑性体
7.4 粘弾性体
7.5 粘弾性特性の計測と同定
7.6 構成則の初期値問題
7.7 おわりに
第 8 章 非線形有限要素法
8.1 非線形解法概論
8.2 有限要素方程式
8.3 構成則の数値計算
8.4 Newton–Raphson 法による求解
8.5 コンシステント接線係数
第 9 章 非線形マルチスケール解析
9.1 概要
9.2 非線形マルチスケール解析
9.3 非線形有限要素法による数値材料試験
9.4 数値材料試験の計算例
9.5 分離型マルチスケール解析例
9.6 まとめ
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