古典文学に登場する植物を文献学的・科学的観点の両面から解明。
日本・中国の古典文学・古医学・本草学ほか、三百点以上の文献を博引旁証。自然科学の知見を加味し、文理両面から古典に見る〈植物〉の実態を明らかにした。収録植物名を網羅した索引により、古典・現代植物名事典(1,200項目以上)としても至便。日本文学・中国文学研究者から一般の古典文学・植物愛好家に至るまで活用できる。また多くの薬用植物を収録し、医学・薬学分野にも資料的価値は高い。
〈現代人の目線ではなく、当時の人の目線で植物を見る。〉
……古典の植物の背景を調べてみると、人々は生活上の必要性があったからこそ、植物を識別してそれぞれに名前をつけたのであって、利用しないものはその存在すら意識していなかったといって過言ではない。古典文学によく登場する植物の民族植物学的背景を探ると、意外な用途に遭遇することがある。古典の植物の解析に際し、現代人の目線ではなく、当時の人の目線で植物を見る必要があることを示唆し、それはこれまでの類例研究では見落とされてきたところである。それを解明するには植物古名の国語学的解釈も必要となる。本書の随所で古い和名の語源解釈に言及するのは単なる興味本位からではないのである。(序章より)
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