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【家庭内の混乱】 犯しやすい誤りを避けるために、医学には昔から伝えられている格言のようなものが数多くあります。自殺に関していえば、「自殺の危険の高い子供の背後には、自殺の危険の高い親がいる」、「自殺の危険の高い親の背後には、自殺の危険の高い子供がいる」と指摘されています。…… 青少年の自殺行為は家庭内の混乱と密接に関連する状況でしばしば生じています。たとえばある自殺の危険の高い生徒がさまざまな問題行動をおこしていたために、他の生徒からいじめの対象になっているかもしれません。しかし、よく調べてみると、家族の中の出来事が原因で問題行動を起こしていて、それがいじめを受けるきっかけになっている場合もあるでしょう。…… 家族のシステム理論から見ると ある人の現わす症状とは、家族全体の精神的なバランスを保つために、その人と家族が支払っている犠牲の結果であるともとらえられます。--本書より ●なぜ人は自殺するのか ●自殺の直前のサイン ●青少年の自殺 ●いじめと自殺 ●中年の自殺 ●空巣症候群 ●高齢者の自殺 ●不定愁訴に注意 ●治療の方法 ●「自殺したい」打ち明けられたら
レビュー(20件)
時代のニーズ
だんだん息がつまりそうな世の中で、信頼感もない悲しい世の中。勝ち負けがはっきりして、ステップアップどころではなく、日々生活するのも辛くて辛くて仕方がなくて、この本を手に取りました。死にたいとき、詠んでみてください。疲れて寝れます。
同じ時期にケイ・ジャミソンの「生きるための自殺学」も読んだが、あちらはデータの羅列で読みづらかったのに対し、コンパクトながらも整理されていてわかりやすい。 何より、視点が優しい。自殺を念慮する人たちの苦悩に手を延べるような著者の姿勢が見て取れて、読んでいて安心感があった。 この先生の本は、他も読んでみたい。
この本は自殺全般についてごく一般向けにコンパクトに分りやすく書かれています。 自殺(曖昧な死にたいという感情だけでなく、具体的に行動や衝動的な意味での死にたい感情)に身近に触れることのない方が自殺について初めて読むのに、おすすめできる1冊だと思います。
じっくり読まなきゃ、という気がします。 引き摺られないような状態で、でも読んでおきたい本。