地政学でみる肥沃の三日月地帯
著者は、「近東」を地政学の中心に位置づける。中東のなかでも中心的部分でありながら、紛争と緊張の舞台となったその地域を、改めて全体とは区別している。そこでは局地的な立役者たちの構想に、相反する構想がぶつかりあう。複雑な展望のなかで、一方では地域的な狙いから世界的規模の戦略的目標をもち、他方では社会、文化、宗教において極度に対立的で個性的な信念や観念を抱きながら、それらの展望を組み合わせる。
本書の第一部では、そうしたさまざまな展望を分析する。展望の多様性、非妥協的な外面、そこから生まれる力関係と紛争。それらは上古の時代から現代にいたるまでにつくりあげられた物質的かつ観念的構造において見出されるのである。これらについては第二部で検討していく。
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