江戸の人々もペットをいつくしみ、花を愛で、より良い暮らしを目指していたーー。江戸時代の書物には、現代の基準でいうところの実用書/文学書の区別が明確でないものが数多くあり、分野の狭間にあって研究対象から取りこぼされてきた面がある。本書はそうした江戸の「実用書」に注目し、「ペット」「園芸」「くらし」などのテーマから読み解き、江戸の人々の興味と関心、暮らしぶりを考察する。
はじめに
コラム1 江戸の流行病と戦う戯作
第一章 江戸のペット本
第一節 『犬の草紙』を読む
1 犬の献身
2 子育てする犬
3 子猫の命を救った犬
4 主人の子供を育てる犬
5 犬の恩返し
6 その軍犬、有能につき。
7 走れ黄耳
8 シロと鐘成
9 犬の愛し方
コラム2 鐘成による大坂案内
第二節 『犬狗養畜伝』を読む
1 犬の飼い方
2 犬の治療薬
コラム3 流行り病との戦いーー『麻疹御伽双紙』
第二章 江戸のガーデニングーー近世における変化朝顔流行の諸相
第一節 第一期変化朝顔流行ーー文化・文政年間
1 江戸における流行
2 大坂における流行ーー『浪華朝顔作方聞書』
第二節 第二期変化朝顔流行ーー嘉永・安政年間
1 江戸における流行
2 大坂における流行ーー『蕣花秘書』
第三節 「奇品」としての朝顔
1 「奇品」としての朝顔
2 本草学者の行動ーー「採薬記」と平賀源内の薬品会
3 怪しい朝顔ーー朝顔の奇談
4 通常と違う朝顔を批判
第四節 浮世絵に見る朝顔
コラム4 「豆本」の世界
第三章 江戸の園芸書ーー『秘伝花鏡』の世界
第一節 『秘伝花鏡』の世界ーー花癖・書癡
第二節 花間日課・花居款設・花園自供
第三節 牡丹・グミ・鶴・オウム・モズ・猫・金魚
コラム5 『役者評判記』と漢文ーー『新刻役者綱目』
第四章 女訓書の世界ーー『女用文章』を読む
第一節 『女用文章』の世界ーー作者と板元
1 「女訓書」とは
2 作者と板元ーー北尾辰宣と柏原屋渋川清右衛門
第二節 女性に求められた理念
1 孝行・慈悲・貞節・教育・礼譲・忍容
2 三従七去
コラム6 女子用往来と女用文章
第三節 嫁入り道具・身だしなみ
1 黒棚
2 化粧の間
3 貝桶
第四節 くらしの知恵
1 しみの落とし方
2 手紙の作法
3 亥の子餅
4 八朔
5 占い
第五節 女訓と江戸の小説
コラム7 パロディにされた辞典ーー『都会節用百家通』と『芝翫節用百戯通』
附録 『和談三細図会』翻刻
『犬の草紙』翻刻
『犬狗養畜伝』翻刻
『浪華朝顔作方聞書』翻刻
『蕣花秘書』翻刻
『秘伝花鏡』翻刻と訓読・口語訳
『女用文章糸車』翻刻
参考文献一覧
おわりに
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