停滞が続く日本経済。閉塞感とポピュリズムが同時に強まる間、日銀はスケープゴートにされ、ラストリゾートにされ、常に主役の一人で居続けた。速水氏、福井氏、白川氏、黒田氏、そして植田氏と、日銀トップが何を考え、裏で誰が動き、結果として日本経済に何をもたらしたのか。歴史的事実を掘り起こしながら、25年間の日銀緩和を検証する。
●日銀の25年を検証。
98年の新日銀法は、日銀の独立性を高め、自由度も高めたはずだったが、それぞれの総裁が政争に巻き込まれ、手足を縛られる状態が続いた。リーマン・ショック、東日本大震災の前後には政権交代などもあり、方針は二転三転。「日銀の独立」を主張したことで、そっぽを向かれた総裁もいた。
本書は23年4月の新総裁誕生とともに日銀に注目が集まる中、これまでの25年を振り返る内容。人事抗争なども精緻に書かれ、金融読み物として読む人を飽きさせない。「誰も総裁をやりたくない」とまで言われる日銀の課題は何かを、過去から検証する。
レビュー(5件)
最近の金融政策や日銀を巡る書籍の中で、最も完成度と納得度が高い。25年間の歴史を振り返るだけでなく、日本経済が置かれた過酷な環境もデータを交えて分析している。雨宮副総裁ら、表に出てこない日銀内の人物を巡る裏話も豊富で、あっという間に読み込めた。
金融政策を巡る四半世紀を、各総裁と政治との距離を描きながら詳述している。各時代、時代の経済情勢も丁寧に解説し、それが今の日本の低成長につながっている実態もわかる。エピソード、データとも豊富で、よい勉強になった。
重厚かつ簡潔なレビュー。植田、黒田、白川、福井、速水と、各総裁の人物像がよくわかる。アベノミクスなど、政治と繰り広げられた舞台裏も披露され、ドキュメンタリーとして面白く読める。
人間ドキュメンタリーであり、デフレ、円高といった経済事象も分析されている。金融政策を巡るよい勉強になった。