【輸入盤】弦楽四重奏曲全集 シュターミッツ四重奏団(3CD)
複雑な味わいと親しみやすさを両立した20世紀の傑作群
マルティヌー:弦楽四重奏曲全集(3CD)
シュターミッツ四重奏団
チェコの作曲家ボフスラフ・マルティヌー[1890-1959]の遺した7曲の弦楽四重奏曲は、伝統的なスタイルと現代的なスタイルの融合が説得力に富むことを示す見事な例です。チェコの民俗的メロディーからジャズのリズムに至るまで多くの要素を取り込んだマルティヌーの弦楽四重奏曲は、複雑な味わいと親しみやすさを両立した点に特徴があります。
演奏は、チェコのシュターミッツ四重奏団によるもので、チェコ民主化の翌年である1990年にドイツのバイヤー・レーベルによってプラハでセッション録音されています。
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作品情報◆ 弦楽四重奏曲第1番
1918年の春にポリチュカで作曲。モラヴィア風な旋律やリズムに加え、ラヴェルやドビュッシーの影響、フランクの循環形式の要素も感じさせる力作。第1次大戦末期に書かれた作品で、戦局はすでにオーストリア=ハンガリー帝国とドイツの敗色が濃厚でしたが、その先にはチェコの独立が見えているため、厭戦気分の反映などはありません。◆ 弦楽四重奏曲第2番
1925年作曲。パリ時代のマルティヌーは夏にはポリチュカに帰省することが多く、この弦楽四重奏曲第2番も冬のパリで構想し、夏に故郷ポリチュカで一気に書き上げたのち、パリで演奏者たちと相談の上、細かな修正を加えて秋に完成しています。
第1番と違ってフランス的な要素は無くなり、ポリフォニーとダイナミズムの融合が3つの楽章を高密度なものとし、チェコの民俗音楽的リズムも非常に効果的。作品は初演から成功を収め、プロアルテ四重奏団や、ヒンデミットのアマール四重奏団などもとりあげています。◆ 弦楽四重奏曲第3番
1929年にパリで作曲。12分ほどの3楽章構成作品ですが、不協和音も交えた響きの表現が絶妙で、加えて各楽器には名技的な独立性も要求されるので、第3楽章など非常に聴きごたえがあります。◆ 弦楽四重奏曲第4番
1937年にパリで作曲。4楽章構成の20分ほどの作品。ソナタ形式の第1楽章→スケルツォ楽章→アダージョ楽章→ロンド・フィナーレ楽章という古典的な形式と適度にモダンな響きが溶け合った聴きやすい作品。
◆ 弦楽四重奏曲第5番
1938年にパリで作曲。ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」のように、マルティヌーの禁断の恋愛感情が投影された作品。その起伏の激しさ、語法の多彩さと効果は驚くばかり。苦悩のお相手は、ピアニストで作曲家で指揮者のヴィーチェスラヴァー・カプラーロヴァー[1915-1940]で、マルティヌーの作曲の弟子で、ミュンシュの指揮の弟子でもあった人物。第2楽章アダージョには、彼女の書いた歌曲「さよならとハンカチ」の引用までおこない、悲嘆にくれる楽想や鼓動音の描写などを通じて心情を吐露し、やがて第4楽章ではその苦悩を克服するという流れです。◆ 弦楽四重奏曲第6番
1946年にニューヨークで作曲。7月17日にバークシャー音楽センターのバルコニーから転落して重傷を負い、生涯治癒しない症状を背負い込んだマルティヌーでしたが、精神的な回復は早かったようで、秋から冬にかけて完成度の高い3楽章構成の作品を書き上げています。とはいえ、第2楽章でドヴォルザークの「アメリカ」のオマージュが盛大に鳴り響くのはやはり望郷の心情の吐露なのでしょう。◆ 弦楽四重奏曲第7番「室内協奏曲」
1947年にニューヨークで作曲。シャルロット夫人に献呈。ベートーヴェン風な第1楽章、ロマンティックな美しさにあふれる第2楽章、チェコの民俗舞曲風な第3楽章と、マルティヌーが書いた作品の中で最も親しみやすい作品です。◆ ヴァイオリンとヴィオラのための3つのマドリガル
1947年にニューヨークで作曲。リリアン&ジョセフ・フックスからの委嘱作で同デュオに献呈。若い頃にイギリス・ルネッサンスのマドリガルに接して以来、マドリガルが大好きだというマルティヌーが、ここではヴァイオリンとヴィオラのために多声感のある表情豊かな曲を書いています。
◆ 弦楽三重奏曲第2番
1934年にパリで作曲。トリオ・パスキエに献呈された作品。
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