都市が人をつくり、人が都市をつくる
フィリピンの首都・マニラの交通インフラを担う小型バス「ジープニー」と、その運転手「おっちゃん」たち。アメリカからの独立と戦後の荒廃からうまれたジープニーは、近代化事業とパンデミックを経て廃車の危機に追いやられていた。都市から排除されるジープニーとそれに抵抗するおっちゃんたちが、新しい都市像の可能性へと導く。
よりよい生を求め、ジープニーを運転し、ケアするおっちゃんたちの生き様
本書は、フィリピン・マニラ首都圏の交通インフラである小型路線バス・ジープニーとそれを運転し修理する労働者である「おっちゃんたち」についての話である。同時に、いまにも崩壊しそうなあやうい足場で、生きて、生存するだけでなく、そこに自己を刻もうともがく人々の話である。上空からみた光は、この地上で繰り広げられる苛烈な排除と疎外のなかでかれらが絶え間なく打ち続け、引き抜かれ、この街で生き続けるための営為が引き起こす熱から生じたものだ。だが、その熱を、光を放つ「かれら」とは誰だろうか。(はじめにより)
はじめに
序章 マニラの多現実性:苛烈な分断と過剰な接続
〈第一部 ジープニーが語るマニラの歴史〉
第一章 近代都市の夭折
第二章 ジープニーの脈々とマニラの新生
〈第二部 ジープニーと生きる場を拓き、育む〉
第三章 都市を鼓動させる力
第四章 ケアがつくり出すインフラと生
第五章 生を表現する車体のグラフィック
〈第三部 否定された者たちのポリティクス〉
第六章 スクラップ・アンド・ビルドし続ける近代
第七章 おっちゃんたちのポリティクス:ストライキという「現われ」の形式
第八章 パンデミックによる都市の停止、死にゆくジープニー
第九章 「私たち」が望む都市へとつくりなおす
終章 「人間の都市」宣言
あとがき
参考文献
索引
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