■「撮影後記」より抜粋
中国は中世まで,「世界の橋梁王国」といわれるほど,アーチ橋をはじめ,さまざまな橋を生み出してきた。いずれも中国の風土に根ざした暮らしのための橋である。
中国の橋を取材して感じたのは,橋の多様性は勿論のこと,そのスケールの大きさだった。例えば,石梁橋では全長3500メートルの避塘橋,石造アーチ橋では411mの万年橋,吊り橋では支柱のない103メートルの蘆定橋,風雨橋では125メートルの永和橋,他に136メートルの仕水碇歩橋など。ローマ橋の取材で橋の大きさには慣れていたつもりだったが,中国の橋のスケールは私の想像をはるかに超えていた。
■片寄俊秀氏「古橋を求めて南船北馬」より抜粋
本書は中国各地の古橋を訪ねて,人が自然とどのように関わってきたかを写真に表現した稀に見る芸術作品である。加えて中国全土の数多ある古橋の中から,著者が周到な調査と準備を重ね,確かな眼力で選りすぐった数々を一挙に紹介したという点で,きわめて高い資料価値がある。
一枚一枚の写真には,榊さんの思いと深い愛情が込められている。どの古橋も生き生きとしているのは,今も現役で人々の暮らしをしっかりと支えているからであるが,その表情をこれだけ美しく引き出したのはまさに写真家としての力量である。
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