ケンブリッジの『日本史』でJapan’s turn to the Westを論じた平川祐弘はどうして中国人学生に中村正直の話をしたのか。戦暁梅はいう「幕末最高の儒学者の格調高い漢文は中国人に親しみやすい。古代中国から近代西洋へと日本の文明モデルの転換の説明に中村のSelf-Helpの翻訳は格好な素材である。しかしその講義でもっとも衝撃的な内容は日中両国における「自由」の運命だ。平川先生が自らの研究をもって私たち中国学生へ送った挑戦状にさえ感じられる」
本巻は「日本の西洋化」を論じた巻頭のこの歴史論文と、「東の自生論と西の創造論」という比較文化論と、東西文化に足をおろした「二本足の人、森鷗外」と、「東の橘 西のオレンジ」などの随筆、「西洋の詩 東洋の詩」など東西両洋に跨る比較史学と比較詩学が織りなす見事な一巻となっている。
第一部 日本の西洋化ー古代中国から近代西洋へー明治日本における文明モデルの転換
第二部 東の自生観と西の創造観
第三部 二本足の人、森鷗外
第四部 東の橘 西のオレンジ
第五部 イタリア
第六部 西洋の詩 東洋の詩
第七部 画家
平川先生との出会いと再会 安達淳
あの頃といま 尾川俊宏
『東の自生観と西の創造観』に寄せてー林檎の詩人と北方ロマンチシズム 平川祐弘
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