古典落語の多くは、噺本、黄表紙、講談、歌舞伎など、先行文芸・芸能に材を得ている。だが史実と虚構が複雑に絡み合い、成立の過程は謎が多い。博覧強記で知られた著者は膨大な資料を読み解き、類似の説話を比較対照し、落語のみなもとを探り当てる。落語をこよなく愛した著者が遺した面目躍如の種あかし。(解説=延広真治)
第一章 落語における笑いの生成
第二章 人情噺はいかにして成立したか
「芝浜」--金を拾うはなしを正直説話より見る
「文七元結」--身投げを止めるはなし
「帯久」--名裁きばなし
猫塚・皿屋敷ーー伝説化された人情噺
第三章 噺さまざま,起源さまざま
「大山詣り」--狂言からの着想
「黄金餅」--奇想と滑稽の極み
「悋気の火の玉」「三年目」--執心ばなし
「風呂敷」「つづら」「短命」他ーー艶笑噺
「風呂敷」再考ーー東西の説話がいかにして交流するのか
「中村仲蔵」--出世噺の成立
第四章 円朝の種あかし
『塩原多助一代記』--原話のからくり
『蝦夷錦古郷の家土産』と『欧州奇談 夢廼暁』--翻案物異説
あとがき……………延広真治
初出一覧
解 説…………… 延広真治
編集協力= 今泉康弘
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