本書では、はじめに、従来にない抗癌剤を求めるための努力の一端としての新しい抗癌剤の標的について解説した。また、最近わが国で開発されたカンプトテシン誘導体や、欧米から導入されたイチイの木の成分タキサン類、その他の固形癌のある種のものに有効性が期待されている新規の抗癌剤についても紹介した。さらに、進行乳癌や前立腺癌の治療にはホルモン剤による治療が奏効することが多いので、この方面の研究についても解説もすることにした。さらに、抗癌剤の薬理動態の研究の進歩、biochemical modulationとよぶ効果増強ないし副作用軽減の考え方にもとづく併用療法についての研究の現状、生体の癌に対する防御物質を中心にしたBRM類についての研究の進歩、薬剤耐性の研究、抗癌剤の副作用とその対策にもふれ、それぞれの専門分野の方々に解説している。最近注目されている癌遺伝子治療に関する研究や、薬物療法とQOLの問題も本書のなかに取り上げられている。
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