円熟の古典落語,軽妙なマクラで,聴くものを魅了してやまない噺家・柳家小三治.本書では,生い立ち,初恋,入門,修業時代,落語論から,バイク,クラシック音楽,俳句,忘れじの人々まで,すべてをたっぷり語り下ろす.独特の語り口もそのままに,まさに読む独演会.芸と人生に対する真摯な姿勢が,初めて明らかに.
前口上
一、 父と母のこと
二、 野菊の如き君なりき
三、 落語と出会う
四、 しろうと寄席
五、 小さん師匠に入門
六、 私の北海道
七、 真打昇進
八、 うまくやってどうする?
九、 東京やなぎ句会ーー小沢昭一さんと入船亭扇橋さん
十、 生き方を変えたバイク
十一、落語研究会
十二、談志さんと志ん朝さん
十三、会長、国宝、そして大手術
十四、『青菜』と『春火事』
十五、弟子たち
おわりに
レビュー(11件)
大好きな小三治さんの話でとても嬉しいです。まるで声を聴いているような気がしました。
さすが人間国宝
深い話がいくつも散りばめられています。人生の様々な場面で活きて来ます。
心
若い頃――50年近く前、小三治師匠のファンだった。しばらく落語から遠ざかってしまったが、本書で久々、師匠の芸、生き方に触れた。昔と変わらず、媚びない人だ。うまくやろうとしないこと。しかし、下手なままでいいわけじゃない。噺家になる前は、演劇の道に進みたかったという師匠。スタニスラフスキーにも通じる名言だと思う。故・談志、志ん朝両師匠と違う考え方も面白い。ただ、「~じゃないですか」というしゃべり方が多いのが気になる。話芸を生業とする人だけに。次女が文学座の女優というのも、まさにドラマ。