1930年代に政治的な影響力を拡大させた日本陸軍。「政治に関与しない」とされていた陸軍はいかにしてそれを可能にしたのか。限定的ながら民主化が進んだ大正・昭和初期、マス・メディアからも批判されていた陸軍は国民の支持獲得のために宣伝を実施していく。その中心には「陸軍パンフレット問題」で知られる陸軍省新聞班がいた。彼らは存在を軽視されながらも、メディアとの協力関係を築き、時代にあわせて情報を発信し続け、やがて政治にも関わっていく。弾圧と抵抗といった枠に収まりきらない軍隊と国民、それらを媒介するメディアの関係に注目し、陸軍による宣伝をメディア戦略として描き出す。
序章 陸軍のメディア戦略からなにを読みとるのか
第一部 メディア戦略への胎動
第一章 メディアに脅かされる陸軍
第二章 試行錯誤から実践へ
第三章 陸軍宣伝の転換 国防思想普及
第四章 肩を組む陸軍とメディア
第二部 メディア戦略の展開
第五章 外交の背後にある世論と世論の背後にいる陸軍
第六章 引き起こされた「陸軍パンフレット問題」
第七章 「大衆」の獲得へ
第八章 戦争の時代
終章 陸軍のメディア戦略からなにを読みとれたのか
レビュー(0件)