近代書の二大潮流である「革新派」と「伝統派」。
注目を浴び手厚い研究がされる「革新派」の一方で、等閑視されつづける「伝統派」。
このいびつな構造の背景には、近代以降の日本で評価されてきた「書の美」の偏りがある──。
本書では、伝統と革新という、書の持つ両端の芸術性を同時に描き出し、近現代の日本書道史をより広い視野から俯瞰するとともに、見過ごされてきた「伝統派」の実像に迫り、「書の美」の新しい地盤を開拓する。
序 論
[第一章]「革新派」による書の制作理念
第一節 「革新派」登場に至るまで
第二節 「革新派」の発言にみるそれぞれの制作思想
第三節 井島勉の書道観とその問題点
第四節 久松真一の禅芸術思想
[第二章]「伝統派」による書の制作理念
第一節 「伝統派」の思想の整理
第二節 書道史上における「伝統派」の位置づけ
第三節 「伝統派」の背景にある思想
第四節 西脇呉石の芸術書観
[第三章]書の評価
第一節 書の評価と分類
第二節 書を評価する語としての「韻」と「個性」
第三節 実際の作品評価
結 論
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