金にあらざる物質を用いて
金を精製する錬金術は、
古代より人類が追求した
見果てぬ夢だった。
完全性と永遠性を象徴する
金の性質から、錬金術は
不老不死の思想とも結びつく。
本書ではエジプトの冶金術から
中国の錬丹術、
アラビアの錬金術を経て
ルネサンス期に隆盛を見た
西洋錬金術の歩みを、
摩訶不思議な奥義書の
図像とともに紐解いていく。
西洋の歴史、思想と密接に並走する
錬金術の謎を解き明かす決定版。
■第1章 金の寓話
1:ある寓話
・化学の結婚
・薔薇十字団とその社会背景
・結婚に込められた融和の願い
2:太古の金
・金属を手にした人類
・金と国家運営
3:古代地中海世界のものづくり
・大プリニウスの記述から
・ミダス王とアルゴナウタイ
4:揺籃期
・エジプトの冶金術
・メソポタミアの占星術
・中国の錬丹術
■第2章 地中海地域における形成
1:ヘルメスの学
・ヘルメス・トリスメギストス
・コルプス・ヘルメティクム
・エメラルド板の発見
・エメラルド板の内容
2:ギリシャ哲学とギリシャ錬金術
・アリストテレスと錬金術
・第五元素とプネウマ
3:ヘレニズム時代以降の錬金術
・ゾシムスの記録と実践
・錬金術書の寓話的伝達法
■第3章 イスラム世界からルネサンスへ
1:ヨーロッパでの断絶とイスラム世界
・イスラム世界での継承
・知識の天国
・ジャービル文書とその理論
2:イスラム錬金術の発展と伝播
・アル・ラーズィーのエリクシール
・アヴィケンナによる批判
3:十二世紀ルネサンスによる逆輸入
・ラテン語への翻訳
・修道士たちの錬金術
・アルベルトゥス・マグヌス
4:中世末期における錬金術のラテン化
・ベーコンによるふたつの錬金術
・教会による擁護と禁止
・アルナルドゥス
・創作されたルルス
■第4章 奥義書を読む
1:『哲学者たちの薔薇園』
・王と王妃
・白い石
・赤い石
・錬金術師自身への適用
2:『太陽の光彩』
・四部構成の書
3:『神の贈り物』
4:『沈黙の書』
5:『逃げるアタランタ』(抜粋)
■第5章 ルネサンス錬金術とキリスト教
1:ルネサンスの到来
・ダンテとフラメル
・イギリスにて
2:回春のわざ
・完全体としてのアンドロギュヌス
・グノーシス主義
・ネオ・プラトニズムとマルシリオ・フィチーノ
・ヘルメス文書とヌースとしての両性具有体
3:両性具有の王
・フォンテーヌブロー派の芸術思想
・ルネサンス・ネオ・プラトニズムとアンドロギュヌス
・君主称揚としてのアンドロギュヌス
■第6章 近代化とオカルト化
1:近代化学への分岐
・フランス病とパラケルススの水銀
・ミクロコスモスとマクロコスモス
・デッラ・ポルタの自然魔術
2:ケミア化とアルケミア
・鍵の寓意
・キミア
・薔薇十字団とフラッド
・両宇宙のアナロギア
3:フリーメイソンと「秘儀」化
・ニュートンのアンチモン
・ヒラムの末裔
・フリーメイソンの死と復活
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