かつて思想界をリードしたドイツ哲学で、「ドイツ観念論」を正統な後継者とする理解は、今日見直しを迫られている。フリース・ショーペンハウアーらが示したカント後における「もう一つの」(ハーバーマス)哲学史の系譜を明らかにする。
はじめに なぜ19世紀ドイツ哲学史が問い直されなければならないのか
序 論 なぜフリースの思想の再構成から始める必要があるのか
第1章 批判主義の徹底化による哲学方法論の主題化
--J F フリースの哲学
1.哲学方法論の成立
1.1.「理性批判」の方法
1.2.ドイツ観念論との対決フィヒテ批判からシェリング批判へ
2.諸概念の発展と形而上学体系の樹立
2.1.認識の様式の区分の成立と哲学の対象の拡張「真理感情」との関わりからみて
2.2.「物自体」概念の位置づけ
第2章 批判主義による哲学方法論に立脚した意志形而上学の展開
--ショーペンハウアー哲学の再読
1.哲学方法論の展開と「形而上学」の成立
1.1.哲学の問いの変遷
1.2.哲学方法論の照明フリースの読書経験を通じた「抽象」への着目
1.3.哲学方法論の展開「意志の客体性(Objektität)」の概念に着目して
1.4.意志形而上学の成立「主観客観関係」の限界と物自体の導入
2.倫理思想における方法論的視座
2.1.「泣く」という現象の位置づけ
2.2.共苦と想像力
第3章 批判主義による哲学方法論の継承と発展
--フリース学派と新フリース学派の成立と展開
1.アーペルトによる「フリース学派」の成立と展開
1.1.エルンスト・フリードリヒ・アーペルトによる「フリース学派」の登場
1.2.アーペルトのフリース受容
1.3.フリース学派の科学思想マティアス・ヤーコプ・シュライデンの方法論的視座
2.レオナルト・ネルゾンによる「新フリース学派」の登場
2.1.ネルゾンによるフリースの再発見と「新フリース学派」の勃興
2.2.ネルゾンによるフリース受容
2.3.新フリース学派と新カント派の攻防
2.4.「ソクラテス的方法」と分析哲学の潮流
3.まとめ
結語に代えて
1.「世界の奥行き」から振り返って
2.本書の成果と展望
目次(細目)
文献表
あとがき
英文要約
索引(人名/事項)
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