現代フランス語においては、普通名詞は通常定冠詞、不定冠詞に代表される何らかの限定詞を伴い、逆に、人名や都市名を表す固有名詞は通常限定詞を伴わないのが規範とされている。しかしながら、実際にフランス語を観察してみると、普通名詞が限定詞を伴わずに現れている例もそれほど珍しくはなく、人名や都市名を表す固有名詞が限定詞を伴って現れている例も時折見られる。本書は、名詞句に関するこのような有標の限定(あるいは無限定)を研究対象とする。本書は序章と6つの章から構成されている。序章においては、本書の重要なキーワードとなる諸概念について論ずる。第1章から第4章においては、無冠詞名詞句のさまざまな事例について、第5章と第6章においては、限定詞付きの隠喩的固有名詞について考察を行う。
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