2000年代前半に始まった世界的な海運ブームによって、外航船主の裾野が一気に拡大したが、それを支えたのが多数の金融機関の新規参入による「船舶金融」(=シップファイナンス)の成立である。船舶保険の譲渡担保(=インシュアランス・アサインメント)は、世界的にその手法が標準化しているシップファイナンス実務において、船舶に対する抵当権、傭船料債権の譲渡担保と並んで、金融機関の債権保全の基本的なツールのひとつになっている。これは、英国の実務において発達した方式が日本を含む多くの世界の実務家によって採用されたものだ。ところが、わが国の民法には譲渡担保に関する規定がなく、また保険の譲渡担保に関しては国内に判例もなく、さらに日本の保険約款は保険契約の譲渡に関する規定を持たないところから、実務での導入が進む一方で、その法的な位置付けや効力に対する理解が十分であるとは言い難い。本書は、保険会社に勤めこの実務に精通する著者が、船舶保険の譲渡担保の詳細を解説するとともに、周到な研究によってその法的側面の疑問に回答を与えることを試みたものである。外航船主・オペレーター、シップファイナンスに携わる金融機関関係者・法
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