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◆不良債権問題や金融ビッグバンにより都銀・長信銀が再編されたときも抜本的な対策が取られず温存された日本の地方銀行。融資案件不足や長期にわたる低金利で収益が細り存在意義が問われるなか、金融庁から事業性融資の拡大を求められたこともあり、質の悪い融資、アパートローン、ノンバンク業務などで焦げ付きが起き、いま問題が噴出している。 ◆本書は、全国の日経記者が連携し、地方銀行の実態を深掘り取材した成果をまとめるもの。設立20年をむかえた金融庁による行政が適切だったのかについても問うことになる。スルガ銀行のシェアハウス向け個人融資は問題の一端に過ぎず、程度の差こそあれ、多くの地方銀行で同じような問題が起きつつある。地域金融の関係者の必読書となる一冊。 第1章 迫り来る「地銀廃業」時代 第2章 「優等生」スルガ銀行の背信 第3章 暴走するアパートローン 第4章 モラトリアム法の負の遺産 第5章 抱えた「不良債券」爆弾 第6章 人材枯渇の危機 第7章 活路は草の根金融に 巻末資料 平成金融史
レビュー(17件)
全国の地銀に起こりうる異変、あるいは直近で発生した事変の大部分が凝集されており金融業界に対する不信が増長されかねない内容ですが…さもありなんという事でしょうか。国策とはいえ的にかけられる業界の苦悩はいくばくのものかと存じますが、故にその信念が試されているのではないかと思う次第です。
地銀に勤めています。私は還暦を超えましたので良いですが、若手はこれを読むと銀行の行く先がかなり厳しいと感じると思います。原点回帰との示唆もありましたが、つまるところ必要とされる存在ならば生き残れるという当たり前のことが金融機関にも起こっているとは思いました。若手に読ませます。
困ったものです。。なかなか解決のしようのない事態です。。。書評です。
色々と考えさせられる内容で、知らない現状を再認識させられました。