又兵衛風絵巻群は、ありきたりな仇討譚・復讐譚を描いたものではなかった! 美術史家たちの評価が最も高い『山中常盤物語』。豪奢で過剰な表現の『上(浄)瑠璃物語』。最初に制作された『堀江物語』。注文主の松平忠直はなぜ、「乳母」と彼女に育てられる主人の子や、「傅」一族同士の対立・抗争の物語を選んで絵巻を描かせたのか。絵画表現と詞書を丁寧に読み解き、3つの絵巻から浮かび上がる、知られざる近世政治史に迫る。
プロローグ 又兵衛風絵巻とは何か
1 又兵衛風絵巻群の料紙は「特注品」--「鳥の子の間似合紙」
2 母の縁と「めのと」の愛ーー『山中常盤』
3 「養君」浄瑠璃姫と「めのと」の冷泉ーー『上瑠璃』
4 「めのと」とその一族の物語ーー『堀江1』・『堀江2』(1)
5 六条の「めのと」と磐瀬太郎の物語ーー『堀江1』・『堀江2』(2)
エピローグ 近世初期政治史における「乳母」
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