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「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出版が倒れる時です」-2011年3月11日、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれ、完全に機能停止した。製紙工場には「何があっても絶対に紙を供給し続ける」という出版社との約束がある。しかし状況は、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的だった。にもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員たちの闘いが始まった。食料を入手するのも容易ではなく、電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めた。東京の本社営業部と石巻工場の間の意見の対立さえ生まれた。だが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くした。震災の絶望から、工場の復興までを徹底取材した傑作ノンフィクション。
レビュー(243件)
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
いくら積読本が増えたって、紙の本が大好きなのだ。その本の紙を作っている日本製紙石巻工場の話は、震災当日の状況から、半年後に8号稼働という復興を目指して見事実現させ、世界最大の抄紙機N6稼働、完全復興と綴られた。一企業の震災対応ドキュメントでありながら、総論としての教訓が十二分に盛り込まれている。
石巻のことなので
地元のことなので読んでみたかったです。内容的にはやはり津波の後のことを読むのがつらかったです。復興部分をもっと多くしてほしかった。
ページをめくる
こんなに紙の質感を意識してページをめくった本はありません。 被災された方に面と向かっては聞きずらいことや、今まで知らなかった現地の状況が書かれていました。
感動しました!
あの地震の影で、このようなストーリーがあったなんて。 日本製紙がんばれ。
感動
1日で読みきれる分量。紙の大切さを実感した。