文芸と地域社会との結びつきのあり方について、農村的・都市的な文芸の情況、そして両地域の文芸の間における対立と影響などについて、民間文芸の現地調査や、古典戯曲・小説の研究をもとに報告する。
●編著者のことば
明清時代の文芸と地域社会との結びつきのあり方について、農村的・都市的な文芸の情況、そして両地域の文芸の間における対立と影響など、民間文芸の現地調査や、古典戯曲・小説の研究をもとに報告する。本書は、2008年5月に開催された、国際東方学者会議第53回大会のシンポジウムの一つ「中国近世芸能から見た都市と農村」の報告・討論会をもとに編纂したもの。
はじめにーー縁起(小南一郎)
§1 問題の提起
近世文芸の場ーー農村祭祀を都市芸能に押し上げる環境とメカニズム(田仲一成)
§2 地域芸能の基礎
南京郊外の儺文化伝承(陶 思炎)
中国地方劇の越境ーー江蘇省如皋県童子戯の事例研究から(上田 望)
舟山の人形芝居ーー侯家班上演の「李三娘(白兎記)」(馬場英子)
湖南省藍山県ヤオ族の還家願儀礼の演劇性(廣田律子)
珠江デルタにおける市場地祭祀演劇の展開(田仲一成)
§3 地域を越える芸能、都市芸能へのみち
馬潜龍太子の物語ーー「説唱詞話」は何を語ったか(高橋文治)
白蛇伝と宋代の杭州(小南一郎)
馮夢龍の文芸活動と明末蘇州の都市・農村(大木 康)
民国期における上海京劇の成立と発展(藤野眞子)
§4 より広い視点から
詩賛系文芸と楽曲系文芸(金 文京)
近世における社会の都市化と宗教の世俗化(斯波義信)
あとがきーー総括と展望(田仲一成)
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