「絵画」とは何か、「表現する」というのはどういうことなのかーーマティスは常に自身の画家としての実践のなかで、表現と造形のあり方そのものを模索し続けた、20世紀の巨匠のなかでもとりわけ影響力の大きな存在です。本書は、マティスの生きた時代と画家自身の資質に培われた創造の世界を、多角的な切り口を交えつつ紹介する画期的な入門書です。
その歩みは、マネや印象派などモダン・アートの新しい傾向が次々と展開された1890年代のパリに始まり、幾度もの転機を経て、ポップアートなど20世紀後半の新世代へ橋渡しするまでの80年余りにわたります。
自らの芸術について語った有名な『画家のノート』、制作行為自体を証すプロセスやヴァリエーション、絵画と装飾、デッサンと色彩の葛藤など、重要な手がかりを織り交ぜつつ、「旧来の絵画のあり方を超えて、新たな、よりしなやかに私たちと結びつく、視界を切り開いた」マティスの画業をたどります。
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