人間には、なぜ芸術的思考が必要なのか。
想像的思考(芸術的思考)と論理的思考(言語的思考)など右脳・左脳の機能を解説した上で、トルストイやチェーホフなど具体的なロシア文学の作品を対象に芸術的思考と作家による創作の本質を検証する。さらに、芸術的なことばがもたらす催眠療法的な効果とサイコセラピー(心理療法)への応用なども紹介。
音楽や美術と同様、芸術的文章ーー文学にも人間の心を揺さぶる力があることを心理学的視点から解明する。
まえがき(日本のみなさんに)
著者より
第1章 「左」脳・「右」脳と、人間の思考の二つのストラテジー
1ノーベル賞に輝いた分離脳の研究
2左半球と右半球は、どのように「考える」のか
3論理的思考の裏側
4神経心理学者が解く左右脳半球の非対称性
第2章 文学の鏡に映った芸術的思考
1見えざる手
2ことばで表現された思想は、ひどく退行してしまう……
3ヴィゴツキーの例にならって
4芸術文学のパン
5美的知覚の「不思議」
6多義性、言わずじまい、意味のまだら模様
7創造の過程と論理的思考の退行
第3章 自分は書き方を知っている、ということを忘れる
1決してプランは作成しない
2論理的思考と想像的思考との間
3「かくて神は我に与え給うた」
4自分の作品で言いたいことは何か
第4章 本を読んでくれる人が見つかれば、毎晩眠れるのだが……
1この重苦しい静けさ
2チュコフスキーの催眠薬
第5章 最後にたどり着いた思考
1チュコフスカヤとアフマータヴァ
2生活それ自体が暗示している「実験」
3音楽と映画
4芸術の、だまし絵的な効果
5『死せる魂』と線的な思考
6超思想とトルストイ・チェーン(トルストイの鎖)
7読み返し(再読)
8朝、目覚める前に
9仮説
終章 未来の作家たちのために
1パステルナークの場合
2言わずじまい、余白と間について
3書き出し
4滑らかな筆
5スキュラとカリスの間
6何から始めるか
7インスピレーション
訳者あとがき
著者・訳者紹介
レビュー(0件)