ケアリング・デモクラシー
: ジョアン・C・トロント/岡野 八代/相馬 直子/池田 直子/冨岡 薫/對馬 果莉
“ケアに満ちた民主主義”を訴えてきたフェミニスト政治学者トロントの主著を邦訳。ケアの倫理を踏まえた社会への変革を提起する。
これまでの民主主義論が前提する自立/自律したリベラルな個人像を批判し、誰もが「他者に依存せざるをえない存在」という人間観の下での社会構想を訴えるとともに、「ケア」を周縁に封じ込めてきたその政治性や権力性を問う。民主主義の定義を「ケア責任の配分に関わるもの」とし、ケアの倫理を踏まえた社会への変革を提起する。
【原著】Joan C. Tronto, Caring Democracy : Markets, Equality, and Justice(New York University Press, 2013)
日本語版読者の方々へ
はじめに
謝 辞
序 章 ケアがもはや「くつろぎの場」にはないとき
民主主義的なケア革命の必要性
ケアをより民主的に考える方法ーーよりケアに満ちた方法で民主主義を考える方法
第1部 ケアリング・デモクラシーの構想
第1章 民主主義の再定義ーーケア責任論争の解決へ向けて
ふたつの不足の物語
ケアとケアリングの意味
概念としてのケアから政治理論としてのケア
ケアと民主主義の政治理論
フェミニスト的なケアの民主的倫理
民主的なケアと新自由主義
結語
第2章 なぜ自己責任は民主主義にとって不十分なのか
なぜ責任に焦点を当てるのか
政治的な考えとしての責任
責任と権力
無責任マシーン?
ケアリング・デモクラシーの視点から責任を再考する
民主主義への責任
第2部 いま私たちはいかにケアしているか
第3章 タフな男はケアしない、のか?--ジェンダー、自由、ケア
ジェンダー化された責任
なぜケアは女子向きなのか? なぜタフな男はケアしないのか?
男性によるケア1--保護パス
暴力ーーケアとしての保護のダークサイド
男性によるケア2--生産パス
職業倫理とケア倫理
新自由主義、競争、自由
自由
シティズンシップのジェンダーを変革すること
結語
第4章 私事化されたケアの悪循環ーーケア、平等、民主主義
ケアの不均衡
不平等なケアの社会心理
ジェンダー、階級、ケアのエコロジー
平等の意味を再考する
ケアの不平等と使用人であること
第5章 市場はケアすることができるのか?--市場、ケア、正義
ケア制度のひとつとしての市場
教育の市場化
結語
第3部 民主的ケア実践とケアリング・デモクラシーを想像する
第6章 民主的にケアすること
ケアすることが民主的ならば、包摂的でなくてはならない
包摂的であるためには、自己をケアの受け手として再考することが必要である
民主的ケア実践
民主的にケアすることに関する考慮事項
民主的にケアすることは、よりよくケアすることである
民主的ケア制度
民主的にケアするための時間
民主的ケアをそれ自体で引きあげる
第7章 ケアリング・デモクラシー
パスを回収する
ケアリング・デモクラシーにおける市民は何をするのか?
結語
原注
監訳者解説
参考文献
人名索引
事項索引
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