生物の科学 遺伝 2022年3月発行号(Vol.76-No.2)
特集:チョウ類の多様性とその保全
世界で約2万種,日本では250〜300種いると言われている蝶。
古今東西で人々を魅了し,生物多様性の指標でもある身近な存在だが,今各地で急激に減少しており,危機的状況にある。
チョウ類の衰亡はなぜ起こり,どのようにすれば食い止めることができるのか?
本特集では,最前線で活躍する研究者たちが,まずチョウ類の形態,生活史,行動などの多様性を概観,保全に関する遺伝学的アプローチから現場での取り組みや環境教育まで紹介する。
巻頭グラビア7頁は「身近なチョウも減っている -里地里山のチョウ絶滅危惧ランキング」,日本の蝶の儚く繊細な美しさを堪能いただくとともに,彼らを絶滅から守るためのきっかけになれば幸いである。
◎巻頭グラビア
身近なチョウも減っている -里地里山のチョウ絶滅危惧ランキング(平井 規央(大阪府立大学))
◎特集:チョウ類の多様性とその保全
総論 チョウ類の多様性とその保全(平井 規央(大阪府立大学))
1.チョウの斑紋と遺伝 -メンデルの法則から分子遺伝学へ(八木 孝司(大阪府立大学名誉教授))
2.チョウの行動学 -成虫の生きている姿に迫る(竹内 剛(大阪府立大学))
3.チョウ類の移動とその多様性 -海や国境を越えて渡りをする種も(平井 規央(大阪府立大学))
4.アリと共に暮らすシジミチョウ -化学物質を使って巣仲間になりすましたイモムシ(上田 昇平(大阪府立大学))
5.チョウの群集生態学 -過去30年間の日本のチョウ群集の研究の歩みと今後(大脇 淳(山梨県富士山科学研究所))
6.衰退する里山のチョウ類 -モニタリングサイト1000里地調査の結果から(石井 実(大阪府立大学名誉教授/大阪府立環境農林水産総合研究所))
7.遺伝子の視点から考える,チョウ類の保全(中濱 直之(兵庫県立大学))
8.チョウ類の保全の現場から -チョウ類保全に必要な10の活動(中村 康弘(日本チョウ類保全協会))
9.絶滅危惧種のチョウを用いた環境教育の可能性(江田 慧子(関西学院大学))
◎連載
植物を集める!!
[第7回]シーボルトの植物画法への貢献(長田 敏行(東京大学))
高校生物・ワクワク宣言!!
熊本県内の淡水産ヌマエビ類に見られる共生・寄生生物の生息状況 -1年生の気づきから始まったエビ班の6年間(松藤 加代子(熊本県立東稜高等学校))
「高校新教科 理数」の学び方
[第2回]理数探究と生物遺伝実験 -高校におけるRT-PCR法を用いた分子生物学実験(田中 福人(ノートルダム清心女子高等学校))
実験観察の勘どころ
共に手を動かし,考え,実験観察の取り組みを育てる -教員実験研修会「KOBE金曜EveLabo」の6年間から(薄井 芳奈(KOBEらぼ♪Polka))
◎フォトコンテスト
生物科学学会連合「第三回 生きものの “ つぶやき ”フォトコンテスト」-審査発表(1)
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