ジャーナリズムの国籍
: 慶應義塾大学メディア・コミュニケーション/日本放送協会放送文化研究所
闘うジャーナリズムの苦悩と挑戦
▼21世紀になり、ナショナルなマス・デモクラシーと共存共栄する歴史を歩んできたジャーナリズムとメディアの公共性は、「国民社会」という発信先を失いつつある。通信・情報分野の技術革新を受けて、メディアの伝達する情報、メディア産業・市場、ジャーナリズム自体がグローバル化し「多国籍化」したからである。
急速に変貌を遂げるメディア状況のなか、ジャーナリズムの国籍性とメディアの公共性は変質を余儀なくされた。本書は10の途上国を取りあげることで、ジャーナリズムの苦悩と挑戦をえぐり出し、これからのわたしたちのジャーナリズム観・市民観を再考する試みである。
序 ジャーナリズムの国籍(山本信人)
1 ジャーナリズムと民主主義
1 フィリピン -- 権利擁護とフォトジャーナリズム
(ヴァイオレット・B・ヴァルデス)
2 台湾 -- オルタナティヴ・ジャーナリズムの展開(劉昌徳)
3 香港 -- 「萎縮」するメディアと「闘う」メディア(山田賢一)
4 エジプト -- 2つの革命と公共テレビ報道
(ディナ・ファルーク・アブ・ゼイド)
COLUMN アジアのメディア状況(山田賢一)
2 ジャーナリズムと統制
5 モロッコ -- 国家主導による公共サービス放送
(ブジアン・ザイド)
6 ナイジェリア -- メディアの透明性と情報公開請求
(バルキス・サイドゥ)
7 メキシコ -- 民主化のための報道
(ホセ・アントニオ・ブランビラ)
8 マレーシア -- 放送メディアの限界と展望
(ロスリナ・アブドゥル・ラティフ)
COLUMN アフリカのメディア状況(田中孝宣)
COLUMN 中南米のメディア状況(斉藤正幸)
3 メディアの越境的展開
9 トルコとヨーロッパ -- クルド語公共放送「TRT6」の誕生:ト
ルコの挑戦と限界(阿部るり)
10 トルコ -- 公共メディアとパブリック・ディプロマシー
(ディルルバ・チャタルバシュ・ユルペル)
COLUMN 中東・イスラーム圏のメディア状況(阿部るり)
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