なぜ、貧しい人びとを救済しなければならないのか。
どこまで救済するのか。
福祉国家は、貧困がもたらす〈屈辱〉をとりのぞくことができたのか。
〈生存〉を保障することと〈尊厳〉をまもることは両立しうるのか。
「ポスト福祉国家」における市民的関係の再構築のために、ロックからベヴァリッジまでの思想をたどりなおす。
序章
第一章 慈愛と労働──ジョン・ロック
1 すべての人間には慈愛をもとめる権利がある
2 勤勉にも、宗教にも道徳にも無縁な人びと
3 勤勉かつ敬虔な労働者
第二章 同感と市場──アダム・スミス
1 困っているときには他人の援助に頼ってもよい
2 労働する貧民は勤勉である
3 商業社会は市民的資質を堕落させる
第三章 救貧と規律──ジェレミィ・ベンサム
1 怠惰にたいする処罰として死は重すぎる
2 休息は身体の健康に有害であり、怠惰であるかぎり道徳にも有害である
3 勤労院は社会浄化のシステムとして機能する
第四章 進化と慈善──ハーバート・スペンサー
1 生存に不適な人間を救済することは政府の仕事ではない
2 いかにして利他的感情を促進するか
3 劣等者はさらにおおくの劣等者を生む
第五章 効率と福祉──シドニー&ビアトリス・ウェッブの福祉思想
1 健康な社会有機体なしに個人は生存できない
2 貧困は道徳的マラリアである
3 健康で道徳的な市民を生産せよ
第六章 分配とシティズンシップ──ニュー・リベラリズム
1 国家の目的は共通善の促進である
2 社会はみずから助くる者を助く
3 人格の成長に最適な条件を保障する
4 「福祉国家」の蹉跌
終章
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