宇宙進出においてアメリカも恐れる存在になりつつある中国。
その開発史や技術レベル、政治的目論見をわかりやすくまとめた初めての本。
中国は、着々と宇宙にも実効支配の触手を伸ばし始めている。
本書は、これまでベールに覆われていた中国の宇宙開発の実態をわかりやすくまとめた本である。
これまで宇宙は夢あふれる世界、戦争のない世界であった。しかし、宇宙覇権を狙う中国の宇宙開発は速いペースで進んでおり、中国版のGPSといわれる衛星測位システム「北斗」構築や月探査衛星の打ち上げ、さらには独自の宇宙ステーション計画を立てるなど、その勢いは加速する一方だ。 中国は、すでに人工衛星を攻撃するASAT(エーサット、対衛星兵器)などの実験も行っている。つまり、宇宙開発が軍事利用と直結しており、いま世界各国が懸念を強めているのだ。日本も、安全保障の観点から、中国の宇宙開発をウォッチする必要があるといえよう。
本書は、科学TV番組の解説でもおなじみの科学ジャーナリスト・寺門和夫氏が、「宇宙強国」をめざして「制天権」を狙う中国の宇宙開発をわかりやすくまとめた一冊。中国の宇宙開発の歴史や宇宙技術のレベル、共産党政権の政治的もくろみがよくわかる。
はじめに
第1章★中国 宇宙開発の源流
スローガン「両弾一星」に込められた野望/ソ連による援助でミサイルを開発/初の人工衛星「東方紅1号」打ち上げ/現代に続く長征ロケット・ファミリー/有人宇宙飛行への長い道のり/中国独自の有人宇宙飛行計画/有人宇宙船「神舟」の開発/初の有人飛行「神舟5号」
第2章★政府・軍による宇宙開発体制
中国の宇宙開発体制/国防企業を監督する国防科技工業局/民生分野の宇宙開発を行う国家航天局/ロケット・人工衛星・宇宙船開発を行う2つの巨大宇宙企業集団
第3章★ロケットと打ち上げ施設
長征5号、打ち上げに成功/次世代ロケット開発へ/新たな長征ロケット・ファミリー/その他のロケット/ロケットの発射施設
第4章★さまざまな人工衛星とそのミッション
地球観測衛星/気象衛星/測位衛星/通信衛星/科学衛星/小型衛星/軍事衛星
第5章★月・火星探査計画の遠大な思惑
月に送りこんだローバー/有人月面着陸を想定した嫦娥計画/サンプルリターン・ミッション/火星探査技術で目指すもの
第6章★中国の有人宇宙計画
国の威信をかけた神舟11号/1カ月の長期滞在を可能にした天宮2号/大地への帰還/神舟宇宙船の飛行実績/第3フェーズへ/有人宇宙計画の本拠地・北京航天城/月への有人飛行を目指す
第7章★進められている軍事利用
衛星破壊実験/新たなASATミサイルも登場/ハードキルからソフトキルへ/衛星攻撃に対抗する手段/有人軍事プラットフォーム/神龍と東風ZF/着々と進む宇宙軍事利用
第8章★中国はなぜ「宇宙強国」をめざすのか
「中国の夢」と「宇宙の夢」/宇宙に展開する「中国天空軍」/世界の宇宙開発の構図が変わる/宇宙は強力な外交ツール
おわりに
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