【POD】苦を見つめて泥に生きる(東寺のお坊さんの法話集 第二巻)
弘法大師空海が真言密教の根本道場として定めた「東寺」(世界遺産)で語り続けた法話から、珠玉の42話を厳選して再編集したシリーズ第2弾!
■「はじめに」より
この3年間のコロナ禍で世界中の人々が見たものは、「この世の地獄」と言っても過言ではありません。しかし私は、たとえ地獄であろうとも、蓮の花のように、泥から逃げ出さず、泥に染まらず、自分だけの独自の花を咲かせて、みんなと共に生きていきたいと思っています。泥の下の根っこはいつもみんなとつながっているのです。
今、まさに苦しんでいるあなたも、どうか本書をじっくりとお読みください。「はっ!」と我に返って、不思議と心が落ち着くはずです。(真言宗総本山 東寺・山田 忍良)
■「苦を見つめて、泥に生きる」(本文)より
私たちは、どうしてこんな目にあったのか、と人を恨み、世間を恨みます。しかし、妄想だと気づけば、「本当は、因縁によってこうなったんだ」というところに落ち着くはずです。人を恨むことも世間を恨むこともありません。
理屈では「あいつのせいだ」というのは正しいかもしれません。でも、気持ちが落ち着かないということは、それは「悟り」ではないという証拠です。悟れば「一切が私の責任」です。現在の私に「成るべくして成った」のです。
「今日の私は昨日の私が求めたもの」です。もっとさかのぼれば、この生は過去の私の歴史の結果です。そして、今も刻一刻と歴史を刻んで生きています。これが業です。
以上、世間を恨んで自身に埋没するのでもなく、世間から逃げるのでもなく、世間にいて世間を超えて明るく生きる。まさに、泥に咲く蓮華のような生き方が私たちの目指す生き方です。
蓮はきれいな清水では決して咲きません。蓮は泥の中にいて、泥に汚れずに清浄な自分の花を咲かせるのです。あえて、泥を嫌わず泥を恐れません。汚れや暗さから逃げ出さないのです。これが私たちの本当の生き方です。
■CONTENTS
第1章 利他の心で生きる
第2章 人生は苦なり
第3章 死んで生きる
第4章 人生は戦いである
■著者紹介
山田 忍良(やまだ にんりょう)
1957年滋賀県生まれ。立命館大学卒業。1980年 生涯の師となる三浦俊良師(当時、洛南高校校長・東寺僧侶)と出会う。1985年より洛南高校・附属中学校で体育教師を務め、退職後は治療師の免許を取得し整体治療院を開設。1992年 真言宗総本山教王護国寺(東寺)に入寺、僧侶となる。
2008年「残りの人生を法話で生きたい!」と一念発起し、東寺大日堂で毎週日曜日に法話会を始める。2010年より月一回境内掲出の「お大師さまのおことば」を担当。2011年 東寺発行の機関紙『光の日日』の編集長に、2016年 教学部長に就任。2020年 法務部長を兼任。2021年より朝日カルチャーセンターにて毎月の法話講座を開講する。現在、信者、学生、企業・団体、地域への法話を行いながら、東寺において「21日弘法さん法話」「東寺宝物館文化講座」などの公式法話を続けている。
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