ルイ14世の時代を生きた一人の女性の生涯と思想に迫る。
彼女は「異端の女性神秘家」として闇に葬り去られてきたが、その生涯は、男性支配の女性嫌悪社会の中で、自己を貫き通した鮮烈な抵抗の連続だった。日本で初となるギュイヨン夫人の本格評伝。
「現代が見失った深い静寂の精神世界を今に蘇らせた山本氏。瞑想の奥深い世界に自己を沈潜させることのできる著者ならではの魂の評伝記録文学だ。」作家・柳田邦男
[筆者から]
ジャンヌ・ギュイヨンは「怪しい女性神秘家」として、近代ヨーロッパの歴史の闇に葬り去られてきた人物だ。日本でも、ほぼ知られていない。しかし興味深いことに、かつて鈴木大拙がジャンヌに言及していたのだ。妙好人と相通ずる、その絶対他力性においてだ。
本書では、井筒俊彦の「分節ー無分節」理論をもとにジャンヌの〈内なる道〉の構造を解明し、その瞑想体験の真髄に迫る。
さらにフーコーの言説論、「司牧権力」論をアドリアネの糸にして、なぜジャンヌがミソジニー権力に最後まで抵抗し得たのか、エンパワメントとしての〈沈黙の祈り〉を究明する。
ジャンヌは、これまでも一部の研究者によって「先駆的なフェミニスト」と目されながらも、なかなか踏み込んで考察されて来なかった。本書では、ジャンヌの残したテキストを丹念に読み解くことで、ジャンヌの実像を明らかにする。
ヴェルサイユ宮廷に嵐を呼んだ静寂者ジャンヌの波瀾万丈の物語を堪能していただきたい。
第一部 静寂者のできるまで
第一章 めざめ
第二章 〈夜〉
第三章 夜明け
第四章 遍 歴
第五章 脚 光
第二部 抵抗する静寂者
第一章 ヴェルサイユの仲間たち
第二章 シークレット・レターズ
第三章 シークレット・レターズ(続)
第四章 対 決
第五章 シスターフッド
第三部 静寂者は国を超えて
第一章 獄 中
第二章 生き延びる
第三章 多様な場所に
第四章 晩年の日々
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