【POD】真の「経営マネジメント」の「経営理論」と「実践理論」
経営者・管理職の方々は、従業員、その家族、そして関係者の人生を、経営という仕事を通じて、より有意義にしなければならない責任があります。 しかし、その責任を誰からも教えられることはなく、多様性と個人主義の台頭による、個々の自由を重んじることの過大解釈から、人生の先輩から人生を有意義に導いてもらう機会にも恵まれず、その結果、従業員の人生をより有意義にしなければならない責任を持っていることなど思ってもいない、考えてもいない、経営者・管理職の方々は、経営の軸が定まらず、ストレスを抱え仕事に従事し、自分の人生そのものを、有意義にする方法があることさえ気づくことができない常況が、日本経済の根本的な問題となっている。 その問題を解決するための、ビジネス研究書である。 20年間にわたる税理士業務を通じて、数多くの得意先に接してきた経験と、自ら培った深い識見をもとに、経営の在り方を理論と実践の両面から考察する。 「お客さんを集める」というキーワードを主軸に、「儲けいている社長と、儲けていない社長」の根本的な違いを詳らかにしていく。 「お客さんのため」という経営理念、すべての起点となる「熱意」それを生み出す方法、「役務提供」と「効果提供」による労働効率の違い、コミュニケーションの目的と大切さほか、経営を構成する様々な要素に対する分析を緻密に文章化している。 価格競争ではなく効果競争するための「独自の売りを提案」、属性(状況)と段階(感情)とに細分化した買い手都合の効率的な「営業アプローチ」にしても、正確な理解を促しつつ、陥りやすい「勘違い」や「誤認識」にも配慮が行き届いている。提供管理と接触管理からなる「顧客管理」、技術力向上を前提条件とした「苦手分野」や「弱点」の克服、営業力提供の収益化や簡易業務提供によって不労所得構築を図る運営者タイプの集客ノウハウの活用など、言及対象は仔細に及ぶ。 「教育」と「指導」及び「目的」と「手段」と「目標」の明確化、「欲」と経営との関係について述べた件を含め、新たな経営の仕組みを検討する上で示唆的な理論となっている。 実践理論で先ず挙げているのは「セールスマンシップ・イン・プリント」であり、経営理論に則った対応資料と方法、紹介者への礼状の送付、接触時や既存顧客への情報の提供といった事柄を視野に入れて、文章化管理の仕組み構築の必要性が説かれている。 売り込みではなく、利用・紹介・継続に対する抵抗を抑え、信頼獲得と増加のための投資、買い手の深層心理に基づいた購入・利用の正当性を提供する「商品アプローチ」など、長期的な集客システム構築に向けた提言がなされる。ライバルより好感度を上げる「お客さんアプローチ」については、ザイアンス効果や定期情報・季節手紙・お礼手紙の発信などを例に、接触頻度の定型化への道筋を明らかにする。 使命感で取組める環境を提供する「従業員アプローチ」、共感を得るためにアピールを定型化する「関係者アプローチ」を見ても、確固たる理念に裏打ちされた具体的な実践方法の提起が持ち味である。
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