警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル
地下鉄サリン事件、和歌山カレー事件、ルーシー・ブラックマン事件……日本中を震撼させた凶悪犯罪に対して、科学的知識を駆使し、わずかな痕跡から謎を解き明かしてきた男がいた。刑事とともに捜査の最前線に立ち、「科学と捜査の融合」を志した日本初の「科学捜査官」が綴った、息をのむような戦いの日々と、貴重な歴史的記録。
【警察小説の第一人者・黒川博行氏 絶賛!】
「バイブルにして読まなあかんです」
第一級資料+傑作ノンフィクション
●オウムの科学を解明した伝説の男
この事実は、オウム真理教が生成したこの特異なサリンが、松本で使用されたものであることを証明する科学的な根拠になった。科学は嘘をつかない。しっかりと事実を突き詰めたとき、全ての説明に矛盾がなくなる。(本文より)
第1章 オウムの科学を解明せよ
【地下鉄サリン事件】
誰が、何のために/病院からの切迫した電話/実験ノート/3人だけの秘密/上九一色村へ/「土谷に会ってきてくれませんか」/刑事たちの戦い/麻原は何を目指したのか/科学捜査官への転身
第2章 憧れの科学捜査研究所へ
製薬会社から科捜研へ/挫折/毒物の専門家/ファイト!
第3章 真の科学捜査とは何か
【和歌山カレー事件】
新たな人生の出発/東電OL殺人事件/野方署管内イラン人殺人事件/警視庁清和寮爆破事件/広がりゆく仕事/真の科学捜査/ヒ素が残っているのはどこだ?/汚物まみれの捜査員/沓脱石周辺から発見したもの
第4章 続発する薬物犯罪
【ルーシー・ブラックマン事件】
再び難事件へ/科学は噓をつかない/アジ化ナトリウム簡易試験法を開発/トリカブト、気管支拡張剤/暴行ビデオテープの解析/被害者の映像で使用薬物が特定できるか/薬毒物使用事件捜査/管理職試験/全国からの事件相談
第5章 現場の捜査に科学を生かす
【歌舞伎町ビル火災】
新たな立場に/デジタル化の遅れを痛感/捜査支援/世田谷一家4人殺害事件/新宿歌舞伎町ビル火災/防火扉が閉まっていれば死は防げた/立件されたビル管理者
第6章 犯罪捜査支援室の初代室長となる
【東京駅コンビニ店長刺殺事件】
安楽死か殺人か/捜査現場に役立つ機材を/性犯罪事件を解決/東京駅コンビニ店長刺殺事件/ FBI とロンドン警視庁の捜査支援体制/警視庁犯罪捜査支援室
第7章 警察庁出向から副署長へ
【大阪幼児死体遺棄・殺人事件】
続々と“新兵器”を開発/振り込め詐欺の急増/インターネット犯罪との対決/警察庁で捜査支援を全国に展開/各府県警察の科学捜査に協力/ガス湯沸器事故のミステリー/人生最大の分岐点
第8章 生き甲斐を求めて
【名張毒ぶどう酒事件再審請求】
科学者の良心で難題に挑む/犯行に使われた農薬は別のものか/鍵は混入から分析までの時間/戻った組織に居場所を失う/主席鑑定官/モノサシ/そして再び警察庁へ/科学犯罪と科学捜査の今後〜志を継ぐ者へ
あとがき
レビュー(8件)
凄い人
NHKの新プロジェクトXを見て著者の服藤さんに興味を持ち購入。読後、いかに著者が凄い頭脳の持ち主かがよくわかった。科捜研に入所するときに受けた採用試験で2番目の成績だったこと、あの後藤田さんと知り合いだったことにも驚かされた。オウム事件で、サリンの製造をオウムが行っていたことを科学的に立証した。 またサリン製造の責任者だった土屋正美と面会。完全黙秘を貫く土屋に対し、著者はサリンの合成の化学式を何度も書いて、土屋しか知らない化学式を見せ、彼を自白に追い込んだ。サリンの化学式を記憶だけで何通りも書ける著者は凄いとしか言い様がない。土屋自身も「警視庁には凄い人が居る。これでは黙秘していても駄目だ」と思わせた。土屋も科学者として凄い人物だったことがわかる。こんな人物が、道を外してしまったことは残念だ。以降、著者は科学調査官として幾多の難事件を解決していく。 読み続けていると、著者が「いかに自分が優れていたか」を書き記しているようで、それはそれで鼻につく感がしないでもないが、実際凄い人なので仕方ないだろう。 このような素晴らしい方が今後も警察社会で頑張っていただきたい。