- 587
- 3.82
愛したはずの夫は、まったくの別人であったーー。 「マチネの終わりに」の平野啓一郎による、傑作長編。 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。 宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。 ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。 愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか? 「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。 第70回読売文学賞受賞作。キノベス!2019第2位。 映画『ある男』(2022年公開)は、第46回日本アカデミー賞で最多の8部門受賞! 最優秀作品賞 最優秀監督賞(石川慶) 最優秀主演男優賞(妻夫木聡) 最優秀助演男優賞(窪田正孝) 最優秀助演女優賞(安藤サクラ) 最優秀脚本賞・録音賞・編集賞など。
レビュー(587件)
登場人物それぞれの繋がりの伏線が散りばめられていた。
「マチネの終わりに」の作者さんの作品ということで気になり購入しました。物語の展開と筆運びがやはり絶妙ですね。ネタバレは控えますが話にどんどん引き込まれ、ドキドキしながら読んでしまいました。
サスペンス的なものを想像していたけれど、ヒューマンドラマ的な内容でした。
予想外の設定と言うか、読み始めから、何がどうなっているのか? と 思いながら読み始めましたが、どんどん引き込まれて、 なかなか面白い物語でした。 他の本も読んでみたいと思いました。
面白かった。
愛にとって過去とは何か?結婚した相手が、自分が聞いていた生い立ちや過去とは、全く違う人生を送り、騙していたとしたら、子供まで居て、自分だっら、やはり、弁護士に相談して、誰なのか、知りたいだろーなぁーと思ったり、どーしたら良いか、悩むと思う。自分の名前を捨てて、幸福を捜し、見付けた、ある男(夫)は、短い期間でも幸せだった事を理解して、生きて行くのかぁー。分からないかなぁー?最後の息子とのやり取りや、心情には、泣けた。他の作者の本も読みたい。