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一ケ原高顕が亡くなった。妻子のない高顕の莫大な遺産を巡り、一族が「回廊亭」に集まった。「回廊亭」は、半年前に心中事件が起こり火事が発生したいわくつきの旅館だ。誰もが高顕の遺産を狙うなか、そこには相続関係にない菊代という老婆の姿が。彼女の目的は、心中事件の真相を明らかにすること、そしてーー真犯人を殺すことだった。 事件に隠された衝撃の事実とは⁉
一ケ原高顕が亡くなった。妻子のない高顕の莫大な遺産を巡り、一族が「回廊亭」に集まった。「回廊亭」は、半年前に心中事件が起こり火事が発生したいわくつきの旅館だ。誰もが高顕の遺産を狙うなか、そこには相続関係にない菊代という老婆の姿が。彼女の目的は、心中事件の真相を明らかにすること、そしてーー真犯人を殺すことだった。 事件に隠された衝撃の事実とは⁉
レビュー(59件)
あっという間に読めました 最近の作品に比べると ちょっと物足りないかなかな
題名からあまり期待しないで読んだのですが、主人公の心理描写がとてもきめ細かく描かれていて、面白かったです。
東野圭吾 叙述トリック
以前、『仮面山荘殺人事件』を「そりゃないよ的内容の作品」のタイトルでレビューしましたが、本作もある意味その要素が満載の作品です。帯に堂々と『誰でも見抜ける叙述トリック』との著者メッセージがありますが、トリックは何重にも重ねられ、さらにクライマックスでも予想だにしない新事実のオンパレードなので真犯人は最後の最後までわかりません。 叙述トリックは混乱させられ完読しても気になったところを読返したりして、あ、そうかと整理してから内容を把握することができました。 ヒロインの昔の恋人を「ジロー」と表記したりして不自然であることはすぐにわかりますが・・・。 一言でいえば、偽装心中事件として殺されかけたヒロインが老婆に変装して昔の事件現場である回廊亭に潜入、遺産相続会合の場を利用しての復讐劇です。 騙されたヒロインはかわいそうで不幸で、真犯人は極悪人で後味のいい内容ではありません。オーラスはまたしても心中事件と同じく炎の中で、昔の火サスそのものの壮絶エンディングです。 東野氏お得意のぶっとび真相満載で、現実離れ感が半端ないですが、先が気になって読まされてしまいました。30年前の『回廊亭の殺人』の新装版で時代を感じざるを得ないところもありますが、今読んでも十分楽しめる作品だと思いました。
東野圭吾作品
過去にあった心中事件の真相をみつけようと相続人たちの回廊亭(元旅館)の集まりに、生き残った人物が老婆に変装して潜入するというお話です。