古いアームチェアを修理に出したところ、中から書類の束が見つかった。鉤十字の印があり、一見してナチの文書とわかるものだった。誰が、何のために隠したのか。謎を託された著者は、その行方を追う。
書類の持主は、ローベルト・グリージンガー。SS(親衛隊)将校だった。プラハの椅子職人、シュトゥットガルトに住む甥、二人の娘、遺された日記、各国の公文書館を探るうちに、その人生が徐々に明らかになっていく。
娘たちは父親がSS将校であったことを知らなかった。グリージンガーはSSに所属しつつ、法務官として仕事をしていた。彼のように一見普通の市民として生活していたSSは多くいたが、戦後の裁判の対象ではなかったため、その実態は定かではない。
第三帝国の一部として淡々と職務を果たした「普通のナチ」と、その家族。歴史から忘れられたナチの足跡が浮かび上がる。
序章
第1章 「本物の」ナチ
第2章 アメリカから受け継いだ思想
第3章 「零時」
第4章 「戦中少年」世代
第5章 空虚な話
第6章 SSの家族
第7章 生存圏(レーベンスラウム)
第8章 スタヴィシチェ
第9章 ビール瓶
第10章 バーンホフ通りの男
第11章 ギーゼラはダンスに出かけた
終章
謝辞
写真と地図のリスト
利用したアーカイブ
原注
索引
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