本書はドイツ会計制度の解明を中心に、それとの関連でわが国の会計制度及びIFRSに関する若干の批判的考察を試みたものである。IFRSの会計規定にせよ、わが国の会計基準にせよ、一度その基準及び会計規定が定まると、その部分的修正はあるものの、全面的な見直しは、一部の例外を除けば、かなり少ない。その結果、ある特定の会計基準ないし会計規定が実務に浸透し、通説を形成する。その後においては、その理論的検討は全く影をひそめてしまう傾向がある。
しかし、その会計基準及び会計規定だけが唯一のもので、そこに全く問題点が含まれていないというわけではない。わが国の国家試験の一部には会計基準または会計規定そのものに関する丸暗記を問うものも散見される。これでは、将来の職業会計人の育成としては果たしてこれで良いのか疑問が残る。基準または会計規定そのものの理解とともに、やはり一工夫してそれに対立する考え方も併記させ両者の比較を問う出題も必要であろう。
このような問題意識を持ちながら、本書はドイツ会計制度の解明を3つの観点から検討した。1つめは引当金論、2つめは資本会計論、そして3つめは商事貸借対照表及び税務貸借対照表に関する全般領域である。
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